自称英語マニアの私は今までに数多くの英語勉強本を読んできましたが、その中でも一番に参考になり心の底からおすすめしたいのが「村上式シンプル英語勉強法」です。
実はこの村上さん、元グーグル副社長兼日本法人社長という肩書をもつめちゃめちゃすごい人。この本ではまったく英語に関わりがなかった筆者が31歳にして本気で英語の勉強を始め、試行錯誤・七転八倒の末に英会話をマスターした勉強法が惜しげもなく公開されています。
無駄を省き、必要なことしかやらないという超シンプルな勉強法で150ページくらいの薄い本ですが、英語勉強法のエッセンシャルが凝縮されていて「英語学習者必読」と言っても過言ではないくらい。
あまりにも良い本なのでざっくりとですが内容を紹介したいと思います。
村上式英語勉強法の特徴
この本で紹介されている英語勉強法のコンセプトは本当の意味で使える英語を効率的に最短で身につけるです。
その勉強法の特徴をまとめると以下の2つ。
- 必要なことしかやらない
- 英語は”勉強”ではない、筋トレだ
1.必要なことしかやらない
この本では英語の勉強を「リーディング」「英単語」「リスニング」「スピーキング」の4つに分け、それぞれ章立てしてやるべきことがまとめられています。
村上さんも「やる必要なし」「捨てていい」事を明確にし、徹底的に無駄を排除した効率学習で独学で英語をマスターされてます。
この本が薄いのも本当にやるべきことだけに絞っているからだと言えるでしょう。
2.英語は”勉強”ではない、筋トレだ
語学を身につけるというのは自転車に乗る練習をするようなもので、知力は必要とされないし別に頭で考えることでもありません。体に英語を覚えさせる。英語を使える筋肉を追加していく。と言ったイメージでトレーニングを進めていきます。
学生時代にやった教科書を中心とした読み書き中心とは全く違って、実践的な英語を身につけることができる練習例が豊富に示されているのでやるべきことが明確化されているのもうれしいです。
具体的な英語勉強法内容を紹介
さきほども触れましたがこの本では英語勉強方法を「リーディング」「英単語」「リスニング」「スピーキング」の4つに分けて説明されているので、ここからそれぞれ紹介しながらという形で進めていきます。
1.リーディング勉強方法
実は個人的にも英語の勉強で一番効果があったのは大量のリーディングでした(私自身一応TOEIC955点持ってます)。なのでここで村上さんが言っていることにはほぼ100%同意。
リーディングの最終目標はズバリ「日本語と同じように英語で読めるようになる」ことです。言うのは簡単ですが、そのレベルに近づくためにはひたすら英語を読むしかありません。
ではどのくらいの分量を読めばいいのか?村上さんいわく300万語だそうです。小説にして実に約30冊分。確かにこれだけ読めばかなりの力が身につくのは間違いありません。
かと言っていきなり英語を読むのは難しいので最初は会話の多いモノを選びましょう。最悪、中学の教科書でもOKです。まずは簡単なものから入って行きましょう。いきなり難しいものにチャレンジしてもくじけるのがオチですから。
ひたすら読んでいれば基本的な単語は繰り返し出てくるのでいつの間にか覚えてしまいますし、構文やよくある言い回しも勝手に身につきます。読むスピードもだんだん早くなって勉強も効率よくなります。
2.英単語
英語は結局単語力です。当然単語を知らなければ英語はできません。だからとにかく英単語をたくさん覚える必要があります。そして知っている単語が多くなればなるほど読むスピードが上がってきます。
読むスピードが上がれば同じ英単語に出くわす頻度も多くなり、より多く英単語を覚えることが出来るという良い流れになります。
村上式英語勉強法で覚える英単語の目標は1万語。1万語覚えてしまえばビジネス英語で困ることはないです。
そして村上さんの単語の覚え方はなんと「ひたすら眺めるだけ」と言い切っているのがすごい。毎日毎日ひたすら単語を見る、眺める、一気に徹底してやってしまえと。
確かに1つ1つ確実に意味の分かる単語を増やしていくより、なんとなく知っているという英単語をどんどん増やしていった方が英語の理解力も全然違ってきますね。
たださすがにいきなり1万語はムリなので、最初は3000語から、そして6000語、10,000語と徐々に挙げていきましょう。
おすすめの単語本として以下の3つが紹介されています。
3000語レベル Oxford Picture Dictionary
6000語レベル ニュース英語パワーボキャビル
10000語レベル 発信型英語10000語レベル スーパーボキャブラリービルディング
3.リスニング
リスニングは”耳の筋トレ”。使うのは知力ではなく筋力。英語と日本語はそもそも周波数が違うというのが日本人が英語を聞き取るのが苦手な一番の大きな理由です。
これはもう耳の筋トレでやしなうしかありません。筋トレである以上、上達する方法はただ一つ。ひたすら聴くことです。トータルして1000時間聴けば誰でも英語を聞き取れるようになるそうです。
確かにアルク英会話教材ヒアリングマラソンも1年間で1000時間のリスニングを目指すという教材内容で有名ですね。あれも1日3時間、1年間で1000時間の英語をとにかく聴きまくるというものです。
この時に注意したいのが、聴くのは生の英語であるということ。掛け値なしの本物の英語。耳に負荷をかけて筋肉を鍛えるのが目的なので、ゆっくりとやさしい英語ではダメです。
ネイティブの日本人にとって情け容赦内スピードの英語を毎日聞いて耳を鍛えて下さい。
4.スピーキング
英語というのはコミュニケーションの道具ですから、最終的には英語で生身の人間とやり取りができなければなければ意味がありません。「相手が言っていることはなんとなくわかるけど、いざ自分が話す番になると言葉がでてこない・・・」と悩んでいる方も多いと思います。
そういうときはまず落ち着いて堂々と自分のレベルで話すことを心がけて下さい。とくに日常英会話5パターンしかない、まずはそのパターンを覚えてしまえと村上さんはおっしゃています。
- あいさつ
- 依頼する
- 質問する
- 意志を伝える
- 相手の意向を聴く
どれも「Could you please」「Can I」「I’d like to」「I will」「Would you like to」「Shall I」と言った中学校で習うレベルのものですが、確かにこれを覚えておけば日常会話はなんとかなるのは自分の体験からしても納得です。
会話にはある程度のパターンというのがあるので、まずはそのパターンを丸暗記して基礎を固めましょう。
関連書籍:これで話せる英会話の基本文型87 (CD book)
次にやることは自分に関する100の話題を丸暗記するというものです。仕事、家族、友達、趣味、スポーツ、出身地、好きな映画・・・とまず自分について100パターンの英文を作っておく。英語でフリートークになって何を話したらいいかわからないなんて時は、自分の話題に話を持っていく。このくらいの積極性があれば英会話はすぐに上達します。
いきなり英語で何か話せと言われて簡単に話せる人はそういません。まずは自分の話題を100つ作って暗記暗唱する練習をしましょう。
関連書籍:1分間英語で自分のことを話してみる
英語勉強法まとめ
かなりざっくりですが「村上式シンプル英語勉強法」の内容を紹介しました。もちろん本書ではここで紹介した勉強法の詳しい解説や具体例、ここでは紹介していないメソッド、おすすめの参考書も公開されています。
薄い本とは言えさすがに全部の内容を紹介することはできません。1~2時間もあれば読めてしまう内容なので是非実際に読んでみてみて下さい。
目から鱗が落ちまくると思います。